新型コロナウィルス感染拡大は、大動脈解離や大動脈瘤破裂等への救急対応にも影響を与えています。また、治療中断や受診の手控えのために心血管病が重症化する患者さんが増えているとのことです。
2月5日、循環器関連の11学会からなる日本循環器連合と日本医師会の合同で 「新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下の心血管病診療に関する緊急声明」が発表されました。
マルファン症候群やロイス・ディーツ症候群の患者さんに限らず、医療に支えられている方は少なくありません。ひとりひとりが気を付けることで、医療を守りましょう。
下記、緊急声明をお読みいただき、患者さんは必要な治療は継続し、心臓や血管に異常を感じ場合は、ためらわずに主治医に相談するか医療機関を受診してください。
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下の心血管病診療に関する緊急声明
2021 年2 月5 日
新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下の心血管病診療に関する緊急声明
公益社団法人日本医師会
日本循環器連合
国民の皆様へ
心血管病診療に携わる医療従事者やベッド等の医療資源が、新型コロナウイルス感染症の診療に振り分けられることが多くなっている結果、緊急治療を要する急性心筋梗塞、急性心不全、致死性不整脈、肺塞栓症、大動脈解離、大動脈瘤破裂等への救急対応ができなくなっている地域や医療機関が増えています。また治療中断や受診の手控えのために心血管病が重症化する患者さんが増えています。
そこで、日本医師会・日本循環器連合は以下の2点について緊急声明を発出します。
① 必要な心血管病診療を提供するためには、何よりもできるだけ新型コロナウイルス感染者を減らすことが重要です。国民のみなさまには、より一層新型コロナウイルス感染予防に留意し、慎重な行動をとっていただきますようにお願い致します。
② 現在受けられている心血管病の治療は引き続きしっかり続けてください。新型コロナウイルス感染症拡大で受診控えされている方も、感染対策を行っている 安心マーク を掲げている医療機関への受診をしてください。心臓や血管に異常を感じたら、ためらわず速やかに医療機関を受診してください。
日本循環器連合は、国民の生命を守るため、心血管病診療のプロフェッショナルである医療従事者の責任と自覚を持って、日本医師会の協力を得ながら、心血管病診療体制の維持に全力で取り組みます。
日本循環器連合
日本循環器連合:2020年4月に発足された循環器に関連する11学会の連合組織
日本循環器学会HPより:新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言下の心血管病診療に関する緊急声明(PDF)