マルファン症候群や類縁疾患の患者さんのひとつの特徴として、一般の人よりも大動脈拡張症や大動脈瘤、あるいは大動脈解離が起きてしまうことがあります。患者交流会では、就職する時にどのように伝えるべきか、手術後の職場復帰等、仕事に関する話題がよく出ます。大きな症状が出て、初めて自分がマルファン症候群等の患者であったとわかる方も少なくなく、転職や進路変更を余儀なくされる方もいらっしゃいます。
そこでこのたび、就労経験(アルバイト等を含む)のある16歳以上のマルファン症候群および類縁疾患患者さんのうち、大動脈解離、もしくは大動脈拡張症や大動脈瘤のいずれかと診断されたことのある方の診断前後の就労状況の変化等、実態を把握することを目的とした調査を行うことといたしました。
症例が少ないマルファン症候群や類縁疾患の就労実態調査は、日本では、現在までに行われたことがありません。就労継続のための病名や症状の開示の仕方について、患者さんの意識と伝えられた相手の反応事例なども集めます。集計結果を患者・家族に公開することで、他の同病患者の実態を知って自分に取り入れるなど、患者の就職活動やよりよい就労の仕方等QOL維持・向上に役立てたいと考えております。
また、大動脈解離等、突然の状況変化による就労への影響を明らかにすることは、マルファン症候群等の疾患由来以外で大動脈解離を起こした現役世代の人たちへの支援にもつながることが期待できます。
調査結果は、匿名化処理ののち解析を行い、結果をまとめます。まとめられた結果は当ホームページや会報にて公表する他、患者会の情報誌・学会・学術誌等で結果を公表する可能性があります。
ぜひ、調査にご協力ください。
※本調査は、厚生労働科学研究費難治性疾患政策研究事業の一環として実施いたします。
マルファン症候群およびその類縁疾患患者のうち、大動脈解離と診断された方、大動脈拡張症や大動脈瘤と診断された方に対する診断前後の就労状況調査
対象者
16歳以上で、就労経験のある大動脈解離または大動脈拡張症や大動脈瘤と診断された下記疾患患者またはその家族(遺族含む)
●マルファン症候群
●ロイス・ディーツ症候群
●エーラス・ダンロス症候群
●家族性大動脈瘤・解離
●その他マルファン症候群の類縁疾患
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調査項目
1.基本情報
2.診断されたときの状況
3.診断された直前の就労状況
4.診断された直後の就労状況
5.他のマルファン症候群(もしくは類縁疾患)の患者さんへの就労等に関するアドバイス
回答時間
10~15分程度のアンケートです。
ただし、大動脈解離等を複数回診断された方は、その回数ごとにご回答いただきたいので、回数にもよりますが、約30分程度が見込まれます。
調査期間
2016年11月10日~2017年3月末
参考)当初回答締切:1月10日 回答期間延長しました。
調査方法
オンライン上のアンケートフォームにて回答いただきます。
オンライン上での回答ができず、記述による回答を希望される方は、質問用紙によるアンケートも可能です。
対象の方で回答いただける方は、下記問い合わせ先にメールにてご連絡ください。
【問い合わせ】 contact@j-rare.net(担当 江本・西村)
この調査への回答は、強制はなく、回答者本人の自由意志によって回答できるものです。
※東大マルファン外来、国立循環器病研究センターはじめ、調査にご賛同いただける医療者より、対象の方に、この調査に関するチラシをお渡しすることがあります。
※当会会員及び関連患者会のみなさまには、会報およびメールでご協力をお願いし、アンケートフォームのご案内をしております。
調査研究の倫理審査について
この調査は、参加された方の安全や人権を守るため、国が定めた指針に従って実施されています。
研究を行うにあたり、倫理委員会にて厳密な倫理審査を行い、実施しています。
研究に係る費用について
この研究に参加することで、回答者の経済的負担、および謝礼はありません。
本研究は、厚生労働科学研究費補助金を使用して行うものであり、特定の企業との間に利益相反はありません。
実施責任者
特定非営利活動法人(NPO法人) 日本マルファン協会 猪井
平成28年度 厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患政策研究事業)横断的政策研究分野『患者団体等が主体的に運用する疾患横断的な患者レジストリのデータの収集・分析による難病患者のQOL向上及び政策支援のためのQOL評価基準の策定および基礎的知見の収集』研究班(J-RARE研究班)